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外科手術後の両肩五十肩

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外科手術後の両肩五十肩

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2023/02/14

開腹外科手術後に両肩が五十肩になった症例

入院中に右肩が五十肩になり、半年前には左肩が五十肩になり運動痛がある。

 25年前重いものを持ったときに右腰に負荷を感じ、そのときから右腰部に痛みがあり。14年前に開腹外科手術後、右肩が挙がらなくなり注射をしたものの効果が見られなかったこと。その後、リハビリ、カイロ、鍼や気功などさまざまな治療に通ったにも関わらず、全快することはなく、10年前から治療に行くことをやめたそうです。今回、8ヶ月前より、左の痛みを感じ挙がらなくなり、運動痛をどうにかしたいということで当オフィスに来られました。

 五十肩と言いましても、症候群であり、どこの器官に問題があるか一つではありません。そのため肩関節周囲炎など診断されることも少なくありません。広島県においては、炎症ということで運動療法の対象になっていません(消炎鎮痛対応となり保険点数は35点)。何もしなくても治るという考えになります。米国をみても平均1年半が自然回復の期間です。長くかかる場合は5年とも言われています。経験的には、痛みをこらえて懸命にリハビリなどされた人ほど経過が良くないです。私自身14年病院に理学療法士として勤務していましたが、関節注射で良くなった患者は見たことありません。今回の場合はさまざまのところに治療に行き逆効果だっと疑われます。

 実際みてみますと、炎症はなかったものの機能障害が残存していました。屈曲、外転、内旋が著明でしたが、数ミリの関節の引っ掛かりが原因であったため、タウトニングアプローチで即座に改良できました。左肩に関して言いますと、運動痛は、上腕三頭筋に出現し、これ自体は肋骨の関節(第3肋横突関節)が原因でした。こちらも炎症はなかったものの、可動域制限は残りました(135°→160°)。外転制限は肩鎖関節(鎖骨外側)の滑膜関節機能障害であったため、こちらも即座に良くなりました。残存した機能制限は、肩甲窩上腕関節の関節包拘縮や同関節の通り路(ルート障害)の脱線が考えられます。これらは経過をみながらフォローしていきます。

 これから可動域が大きく変化していくには3ヶ月以降と考えられます。その間は、良くなった範囲の7〜8割を動かす、使っていくことが自然回復を早めるポイントにもなります。気合いも根性も必要ありませんから、無理がかからないようにしていきましょう。くれぐれもストレッチや五十肩体操(振り子体操、アイロン体操)は禁忌です。逆効果になりますので、治癒が長引きます。肩をすくめる体操など肋骨を動かすことからはじめてみて下さい。よかったら参考にしてみて下さいませ。

 

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代表 堀川浩之

 

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