【背中左の痛みと関節】
2020/02/17
所見で見つかる骨関節系の病気は、姿勢や動作に伴って痛みなどの症状が現れやすいですが、内臓の病気の症候は必ずしも姿勢とは連動しなません。以下で思い当たる症候がある人は内科で受診を受けると良いと思います。しかしながら、合わせて、診ておきたいのは関節の関連痛です。タウトニングでチェックすべき関節を挙げてみます。
痛みの部位でわかる内臓疾患
【背中右上部に出る痛み】
1.肺炎、肺結核など「響くような痛み」
2.気管支炎など「背中全体に広がる痛み」
カゼや喘息、喫煙などが原因で、急性気管支炎になることも。咳や痰、胸の不快感のほか、咳をすると背中全体に痛みが広がる。肺炎や肺結核でも、咳き込むと背中にまで響くような痛みが生じることがあります。痰のからむ咳や胸痛、発熱、息切れなども伴います。
⇒第11、12肋椎関節、第1、2、3、5、7肋横突関節、第2、3、7胸肋関節
【背中右下部に出る痛み】
1十二指腸潰瘍など「差し込むような痛み」
2肝炎など「体のだるさを伴った痛み」
3腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」
十二指腸潰瘍は20~40歳の比較的若い人に多いです。空腹時にみぞおちや右側の背中に、差し込むような痛みが生じます。肝炎の場合は、右わき腹から背中にかけて、だる重いような痛みが起こりやすいです。痛みや発熱を伴う腎盂腎炎や腎結石は、左右それぞれ発症する可能性があります。
⇒第7胸肋関節、第5、7肋横突関節、第11、12肋椎関節、腰仙関節
【腰まわりに出る痛み】
1尿路結石など「間欠的な痛み」
2卵管炎、子宮外妊娠など「高熱を伴った痛み」
3子宮内膜症など「下腹部全体の重い痛み」
尿路結石では、強烈な痛みが突然出現します。痛みは出たり消えたりを繰り返す。細菌感染などで起こる卵管炎、受精卵が子宮外に着床する子宮外妊娠では、高熱を伴い腰まわりが痛みます。子宮内膜症では月経痛が重く、痛みは下腹部から腰にまで及びます。
⇒腰仙関節、第12肋椎関節
【背中左上部に出る痛み】
1狭心症、心筋梗塞など「手で握られるような痛み」
2解離性大動脈瘤、大動脈瘤など「引き裂かれるような痛み」
心臓の冠動脈が狭くなったり詰まったりして、心臓に血液が十分供給されなくなるのが狭心症や心筋梗塞。胸の痛みが一般的ですが、ときに背中にまで痛みが放散。大動脈の内膜が裂けて瘤(こぶ)ができる解離性大動脈瘤などでは、引き裂かれるような激痛が突然起こります。
⇒左第2、3、5胸肋関節、左第2、3、5肋横突関節、腰仙関節
【背中左下部に出る痛み】
1膵炎、膵臓がんなど「耐え難い痛み」
2腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」
急性膵炎は、脂肪の多い食事をした後や過度の飲酒後に起こることが多いです。胆石が原因で起こることもあり。耐え難い痛みが、みぞおちから左上腹部、背中側にまで及びます。細菌感染で起こる腎盂腎炎、腎臓に結石ができる腎結石では、痛みだけでなく、発熱も伴います。
⇒左第5、7胸肋関節、左第5、7肋横突関節、第12肋椎関節、腰仙関節
日本以外の海外では、物理医学専門医という医師が診療し、そこで判別し、内科や外科を紹介するという流れになっています。
日本では聞きなれないのは無いからです。まずは当オフィスでタウトニングで判別してもいいかもしれません。
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