【ストレッチはすると良いというのはウソ?!】
2020/01/17
テレビや雑誌を見ていると、よくエクササイズが紹介されています。
皆さんは、ストレッチで「肩こりや腰痛の緩和」「老廃物の排出と血流改善」の体質改善効果が得られる理由をご存じでしょうか?
実は……それはほとんどウソです。
民間でよくある効果などを医学的見地から解説してみましょう。
問.肩こり緩和や骨盤矯正に効く?
ある程度長時間のストレッチは、骨格を矯正する効果があると言われています。
その結果、日常生活で凝り固まってしまった筋肉の位置を改善できます。
柔軟性も高くなるので、これらの症状を予防する効果も期待できます。
筋肉はそもそも身体を護るために硬くなっているので、
いたずらに筋肉を引き伸ばすということはすべきではありません。
柔軟性や筋肉の位置が改善するといっても30分以内に消えてしまいます。
これは医学的にも効果とは言わずに、反応といいます。
寒い時に鳥肌立って、過剰に熱を逃がさないようにします。
この現象と同じで、生理学的反応になります。
継続的にその変化がみられるというのはありません。
筋肉は持続的に伸ばされますと、Ib抑制という機序により、緩みます。
これは、血行不良などのデメリットを回避するためとも思われます。
この状態では筋肉の長さは確かに長くなっていますが、
正常の筋肉の緊張度より低く、張力が発揮しにくい状態といえます。
実際、筋力を測ってみますと力が入らず、弱くなっています。
この状態では動物的に弱いということになりますので、
肉食獣に食われて終わりになります。
ですから、闘うかもしくは逃げるためにも、筋出力を復旧する必要があります。
その復旧するために要する時間が30分(30分以内)ということになります。
一度正常により緩んだ状態になったからといって、
少し緊張度を取り戻し、正常領域に治まるということはありません。
どういうことかといいますと、
ストレッチをする前の状態に戻るということになります。
何度ストレッチを繰り返しても元のモクアミになってしまうということです。
さらに強いストレッチをしてしまいますと、筋線維は切れてしまいます。
電子顕微鏡でも、髪の毛の太さで断裂していることが確認されています。
断裂した線維部分は再び結合しますが、その部分は脂肪組織に置き換わります。
脂肪組織は収縮もできませんし、伸張性もありませんので、
筋力にも参加できませんし、柔軟性にも同様に参加できません。
つまり、筋力も弱くなりますし、可動域も下がってしまうということになります。
ストレッチの本来の目的である
1)柔軟性の向上
2)筋力の向上
の2つは達成できない。
ですから、近年スポーツ業界では
ウォーミングアップとしてストレッチを使っていない選手も少なくないみたいです。
ブラジリアン体操などのダイナミックストレッチをする人が多いですが、
筋出力は向上しますが、可動域は低下してしまいます。
(体温が上がった後、筋温が上昇すればいくらか柔軟性が向上します)
ストレッチ推奨派の方は、
じっとして伸ばすスタテッィク・ストレッチ(静的ストレッチ)と
反復運動を利用したダイナミック・ストレッチ(動的ストレッチ)を混同しています。
この2種類のストレッチは同時にはできなないので、
反応も両立することは不可能です。最後にした方法が影響します。
では、いったいどうすればいいかですが、
もっとも簡単な方法は、
ストレッチをする格好をして、
「伸びている」、「気持ち良い」と感じる手前で止めると良いです。
衣服で例えるのであれば、シワがなくなる程度で十分なのです。
その状態がタウトニングになります。
柔軟性の向上と筋出力向上が両立できます。
気持ち良さは変化することとは関係ありませんので、もの足りないぐらいでしてみてください。
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