【背中の痛み ~部位別原因~】
2019/03/21
A.背骨に沿って出現する痛み
【関節系】
1)胸椎椎間関節
脊柱といわれる骨にも関節があり、胸椎椎間関節というものが左右に存在します。ここの関節に引っ掛かりなどの機能老化(滑膜関節機能障害)が起こると隣り合う脊柱起立筋という縦に伸びた筋肉に張りをおこします。常時、重だるく感じたり、筋肉を圧迫すると痛みが出たりします。その筋圧迫をした場合、人により気持ちよさを感じることもありますが、30分以降には更に張りを増すことが多くみられます。ほかにも特徴的には、身体の回旋(ひねり)や反るなどの動作の制限及び痛みを有します。回旋は左右に捻って比較すると分かりやすいです。座ってすると制限はより明らかに見つけられます。
2)肋椎関節
胸椎と肋骨の関節を肋椎関節といいますが、中でも肋横突関節というところがあります。ここの機能老化が起きますと、肩甲骨と背骨の間の痛みがみられたり(僧帽筋、菱形筋)、肋骨に沿っての痛みが出現したりすることがあります。また、呼吸がしづらかったり、咳で痛みが出たりすることもあります。動作的には肩が挙がりにくいなどの症候もみられます。
B.背中右上部に出現する痛み
【呼吸系】
1)肺炎、肺結核など「響くような痛み」
2)気管支炎など「背中全体に広がる痛み」
カゼや喘息、喫煙などが原因で、急性気管支炎になることもあります。咳や痰、胸の不快感のほか、咳をすると背中全体に痛みが拡がる。肺炎や肺結核でも、咳き込むと背中にまで響くような痛みが生じることがあります。痰のからむ咳や胸痛、発熱、息切れなども伴います。
C.背中右下部に出現する痛み
【内臓系①】
1)十二指腸潰瘍など「差し込むような痛み」
2)肝炎など「体のだるさを伴った痛み」
3)腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」
十二指腸潰瘍は20~40歳の比較的若い人に多いです。空腹時にみぞおちや右側の背中に、差し込むような痛みが生じます。肝炎の場合は、右わき腹から背中にかけて、重だるいような痛みが起こりやすいです。痛みや発熱を伴う腎盂腎炎や腎結石は、左右それぞれ発症する可能性があります。
D.腰まわりに出る痛み
【内臓系②(下部内臓)】
1)尿路結石など「間欠的な痛み」
2)卵管炎、子宮外妊娠など「高熱を伴った痛み」
3)子宮内膜症など「下腹部全体の重い痛み」
尿路結石では、七転八倒するような痛みが突然出現します。痛みは出たり消えたりを繰り返します。細菌のクラミジア感染などで起こる卵管炎、受精卵が子宮外に着床する子宮外妊娠では、高熱を伴い腰まわりが痛みます。子宮内膜症では月経痛が重く、痛みは下腹部から腰にまで及びます。ほかにも腰回りの痛みでは、判別する必要があるものがあります。腰椎に沿っている脊柱起立筋のスパズム(張り)であれば、腰椎椎間関節の滑膜機能障害。12番肋骨と腸骨稜との間であれば、腰方形筋のスパズムで第12肋椎関節の滑膜機能障害が疑われます(これら滑膜関節機能障害は調整直後に結果が出ますので、判別は容易です)。
E.背中左上部に出る痛み
【内臓系③(心臓系)】
1)狭心症、心筋梗塞など「手で握られるような痛み」
2)解離性大動脈瘤、大動脈瘤など「引き裂かれるような痛み」
心臓の冠動脈が狭くなったり詰まったりするなどして、心臓に血液が十分供給されなくなるのが狭心症や心筋梗塞です。胸の痛みが一般的ですが、背中にまで痛みが放散することもあります。大動脈の内膜が裂けてコブができる解離性大動脈瘤などでは、引き裂かれるような激痛が突然起きます。
F.背中左下部に出る痛み
【内臓系④(膵臓、腎臓)】
1)膵炎、膵臓がんなど「耐え難い痛み」
2)腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」
急性膵炎は、脂肪の多い食事をした後や過度の飲酒後に起こることが多いです。胆石が原因で起こることもあります。耐え難い痛みが、みぞおちから左上腹部、背中側にまで及びます。細菌感染で起こる腎盂腎炎、腎臓に結石ができる腎結石では、痛みだけでなく、発熱も伴います。
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